経管を外部から雇うことはできる?

経管を外部から雇うことはできる?

建設業許可で注意すべきポイントを行政書士が解説

はじめに

建設業許可の相談で、非常によく聞かれる質問があります。

「社内に経管になれる人がいないので、
経験のある人を外部から雇えばいいですか?」

結論から言うと、
「雇い方次第では可能だが、ハードルは非常に高い」
というのが実務上の答えです。

安易に外部の人を経管にすると、
👉 許可が下りない
👉 虚偽申請と疑われる
👉 後で許可取消になる
といった重大なリスクもあります。

この記事では、

  • 外部経管は本当に可能なのか
  • 認められるケース・認められないケース
  • 絶対にやってはいけないNG例
    を、分かりやすく解説します。

1️⃣ そもそも「外部の経管」とは?

ここでいう「外部から雇う経管」とは、次のようなケースを指します。

  • 他社で経営経験のある人を招く
  • 元建設会社社長を顧問的に迎える
  • 親族・知人に名義だけ就任してもらう

このうち、実際に認められる可能性があるのはごく一部です。

2️⃣ 結論:外部経管は「条件付き」でのみ可能

建設業法上、
「経管は必ず創業者や内部の人でなければならない」
という決まりはありません。

しかし、実務では次の条件をすべて満たす必要があります。

✅ 外部経管が認められるための必須条件

  1. 会社と**雇用契約(常勤)**を結んでいる
  2. 社会保険(健康保険・厚生年金)に加入している
  3. フルタイムで当該会社に勤務している
  4. 他社で常勤していない
  5. 建設業での経営経験(5年以上)を明確に証明できる

つまり、
👉 「週に数日来る顧問」
👉 「名義を貸してもらうだけ」
👉 「他社の社長と兼任」

これらはすべて NG です。

3️⃣ 認められにくいケース(NG例)

❌ ケース①:顧問契約のみ

  • 月数回出社
  • 顧問料を支払っているだけ

常勤性がないため不認可

❌ ケース②:他社の社長・役員と兼任

  • A社:建設会社の経管
  • B社:別会社の社長

どちらか一方しか常勤できないためNG

❌ ケース③:名義貸し

  • 実際の経営には関与していない
  • 書類上だけ役員就任

虚偽申請と判断されるリスク大
→ 最悪の場合、許可取消・将来の再申請不可

この「名義貸し」は非常に厳しく見られます。

4️⃣ 認められた実例(レアケース)

✅ 実例:元建設会社社長を正社員として迎えたケース

  • 60代の元建設会社社長
  • 退任後、建設会社に常勤役員として就任
  • 社会保険加入・毎日出勤
  • 経営判断・資金管理にも実際に関与

→ 審査をクリアし、経管として認定

ポイントは、
✔「外部」ではあるが、完全に社内の人間になっている
という点です。

5️⃣ 「外部経管」を検討する前に考えるべきこと

外部から経管を迎える前に、次の点を必ず検討してください。

🔍 社内に候補者はいないか?

  • 代表者本人
  • 親族
  • 長年の番頭・管理職

「経営補佐6年以上」であれば、経管になれる可能性があります。

🔍 将来の事業承継はどうするか?

外部経管は、

  • 長く定着しない
  • 退職リスクが高い
    という問題もあります。

一時しのぎで外部経管に頼ると、
数年後に再び同じ問題が起きるケースも多いです。

6️⃣ 外部経管に頼るリスクまとめ

リスク内容
不許可常勤性・実態不足
虚偽申請名義貸しと判断される
退職リスク短期間で要件欠如
事業承継の不安長期的に不安定

7️⃣ 現実的で安全な選択肢

多くのケースで、次の方法が最も現実的です。

  1. 代表者または親族を経管として育成
  2. 社内幹部を「経営補佐」として計画的に育てる
  3. 事業承継を見据えて早めに準備する

これにより、
✔ 許可維持が安定
✔ 将来のトラブル回避
✔ 行政からの信頼確保
につながります。

まとめ

ポイント内容
外部経管は可能か?条件付きでのみ可能
顧問・非常勤はNG常勤が絶対条件
名義貸しは危険許可取消のリスク
特に厳格実態重視
最善策社内育成・承継準備

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  • 行政書士 山岡正士