目次
- 建設業許可で混同しやすい2つの役割を実務目線で解説
- はじめに
- 1️⃣ 経管と専任技術者を一言で言うと?
- 2️⃣ 役割の違いを図で整理
- 3️⃣ 経営業務管理責任者(経管)の役割と要件
- ● 主な役割
- ● 要件(一般建設業)
- 4️⃣ 専任技術者の役割と要件
- ● 主な役割
- ● 要件(一般建設業)
- 5️⃣ 「同一人物が兼ねる」ことはできる?
- ✅ 結論:可能です(条件付き)
- ❌ できない例
- 6️⃣ 多いNGパターン
- ❌ NG①:社長=自動的に経管だと思っている
- ❌ NG②:現場監督=自動的に専任技術者だと思っている
- ❌ NG③:名刺の肩書だけで判断
- 7️⃣ 経管・専技が欠けた場合のリスク
- 8️⃣ スムーズに申請するための考え方
- まとめ
建設業許可で混同しやすい2つの役割を実務目線で解説
はじめに
建設業許可の相談で、非常によくある混乱がこちらです。
「社長がいるし、現場の責任者もいる。
これで経管も専任技術者も足りているのでは?」
実はこの誤解、かなり多いです。
「経営業務管理責任者(経管)」と「専任技術者」は、
役割も要件もまったく別物です。
この記事では、
- 経管と専任技術者の違い
- それぞれに求められる役割
- よくあるNGパターン
を、できるだけ分かりやすく整理します。
1️⃣ 経管と専任技術者を一言で言うと?
まずはシンプルに整理しましょう。
| 区分 | ひとことで言うと |
|---|---|
| 経管 | 会社を動かす「経営の責任者」 |
| 専任技術者 | 工事を支える「技術の責任者」 |
この2つが常勤で揃っていることが、建設業許可の大前提です。
2️⃣ 役割の違いを図で整理
【会社の中の役割イメージ】
経営業務管理責任者(経管)
─ 経営判断・資金管理・契約 ─
↓
専任技術者
─ 施工管理・技術判断・品質 ─
↓
現場・職人
- 経管:会社全体を見る
- 専任技術者:工事の中身を見る
見る視点がまったく違うことがポイントです。
3️⃣ 経営業務管理責任者(経管)の役割と要件
● 主な役割
- 工事の受注・契約判断
- 資金繰り・原価管理
- 人員配置・下請管理
- 会社経営全体の最終判断
● 要件(一般建設業)
- 同一業種で 5年以上の経営業務経験
- 常勤であること
- 名義だけでない実態のある経営関与
👉 「経営に関与していた証拠」
をかなり細かく確認されます。
4️⃣ 専任技術者の役割と要件
● 主な役割
- 工事内容が法令・仕様に適合しているか判断
- 技術的な最終責任
- 現場管理・施工体制の確認
● 要件(一般建設業)
次のいずれかを満たす必要があります。
| 区分 | 内容 |
|---|---|
| 資格 | 施工管理技士、建築士など |
| 実務経験 | 同一業種で10年以上 |
- 実務経験の裏付け資料
- 資格証の有効性
を厳格にチェックされます。
5️⃣ 「同一人物が兼ねる」ことはできる?
✅ 結論:可能です(条件付き)
次の条件をすべて満たせば、
1人で経管と専任技術者を兼ねることができます。
- 経管の要件(経営経験)を満たす
- 専任技術者の要件(資格または実務経験)を満たす
- 常勤性が明確
❌ できない例
- 経営経験はあるが、技術要件がない
- 技術経験はあるが、経営経験がない
「とりあえず兼ねる」は通用しません。
6️⃣ 多いNGパターン
❌ NG①:社長=自動的に経管だと思っている
→ 経営経験5年未満ならNG
❌ NG②:現場監督=自動的に専任技術者だと思っている
→ 実務経験証明ができなければNG
❌ NG③:名刺の肩書だけで判断
→ 実態がなければ不認可
7️⃣ 経管・専技が欠けた場合のリスク
| 欠けた要件 | リスク |
|---|---|
| 経管不在 | 許可取消・是正命令 |
| 専技不在 | 工事停止・更新不可 |
| 常勤性なし | 不許可・差戻し |
どちらか一方でも欠けると、許可は維持できません。
8️⃣ スムーズに申請するための考え方
実務上は、次の考え方がおすすめです。
- 経管:代表者または事業承継予定者
- 専任技術者:資格保有者またはベテラン社員
この役割分担が、
✔ 審査に通りやすい
✔ 将来も安定
という点で最も安全です。
まとめ
| 項目 | 経管 | 専任技術者 |
|---|---|---|
| 役割 | 経営の責任者 | 技術の責任者 |
| 見る視点 | 会社全体 | 工事内容 |
| 必要経験 | 経営経験5年以上 | 技術経験10年以上 or 資格 |
| 常勤性 | 必須 | 必須 |
| 兼任 | 条件付きで可 | 条件付きで可 |
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- 行政書士 山岡正士
